チャンピックスの飲み方と注意点

チャンピックスを使った8割の患者が禁煙に成功

チャンピックスは、アメリカ合衆国の大手製薬会社が開発した、初の禁煙用の内服薬です。バレニクリンという有効成分が使われています。2006年5月に発売され、日本では2008年1月に厚生労働省から製造販売が承認されました。そして、同年5月から国内の医療機関で取り扱いが始まりました。

チャンピックスの最大の特徴は、ニコチンを体内に取り込まずに禁煙ができることです。それまでの禁煙治療は、ニコチンの摂取量を徐々に減らしていく方法が主流でした。チャンピックスを使えば、禁断症状を心配することなく治療していくことができます。

チャンピックスを使った治療は、他の治療法よりも成功率が高いことが、製薬メーカーの調査でわかっています。

禁煙治療薬を使わない場合の成功率はおよそ5%、ニコチンパッチを用いた場合の成功率は20%です。一方、チャンピックスを使った場合、78.5%の患者が禁煙に成功しています。

ニコチンの働きを抑えて依存性を軽減する

チャンピックスは、ニコチン依存症にかかっている喫煙者の禁煙を助ける薬です。

タバコに含まれているニコチンは、脳の受容体と結合することで、ドーパミンを大量に放出させます。ドーパミンとは、快楽や意欲を起こす働きに関与する神経伝達物質のことです。

大量かつ長期間に渡って喫煙を続けていると、タバコを吸わないときに強い離脱症状が出るようになります。その結果、自分の意思では喫煙をやめるのが難しくなるのです。

バレニクリンは、ニコチンによるドパミンの放出を抑える効果があります。

体内に取り込まれたバレニクリンは、脳のニコチン受容体と結合します。これにより、ニコチンが受容体と結合できなくなります。ドパミンが放出されず、ニコチンを摂取しても快感を感じられなくなるため、タバコを吸いたい気持ちが軽減されるのです。

また、バレニクリンはニコチン受容体と結合すると、少量のドパミンを放出させるため、離脱症状が軽減されます。

チャンピックスの使用を始めてから1週間は、喫煙を続けてもよい期間です。1週間以内にタバコがまずいと感じるようになったら、その時点で喫煙をやめても構いません。

飲み合わせに注意!体質や持病は医師に伝えておくこと

チャンピックスは、他の禁煙補助薬や、CYP1A2基質の薬剤「シメチジン」との飲み合わせに注意が必要です。これらの薬と併用すると、副作用が起こりやすくなったり、血漿濃度が上昇したりします。

また、以前チャンピックスを服用した際に、かゆみや発疹といったアレルギー症状が出た場合は、医師に相談しましょう。

統合失調症や双極性障害、うつ病などの精神疾患がある人も、担当の医師や薬剤師と相談する必要があります。腎機能障害を抱えている人や、血液透析中の人も同様です。

チャンピックスを服用している間は、肝臓疾患に関係する数値が上昇する場合があります。

また、チャンピックスを使って気持ちの落ち込みが強く出たり、焦りや不安が抑えられないときは服用を中止し、担当の医師に相談しましょう。

服用後はめまいや眠気などの症状が出やすくなります。自動車の運転など、危険の伴う機械操作を避けるのが基本です。

チャンピックスは未成年でも使用できますが。保険が適用されないため、全額自己負担となります。

チャンピックスの用法・用量は臨機応変に変わる

チャンピックスの飲み方は段階的に変わっていきます。成人の場合、1日目から3日目は0.5mgを1日1回服用します。4日目から7日目の用量は、0.5mgを1日2回です。朝食後と夕食後に服用します。8日目以降は1mgを1日2回のペースで、朝食後、夕食後に飲みます。これがチャンピックスの基本的な服用スケジュールです。

チャンピックスの投与期間は原則12週で、この期間中は禁煙をしながら薬を服用します。

禁煙を開始する日を決めたら、その1週間前からチャンピックスの服用を始めます。12週で効果が認められた場合、効果をより確実にするため、服用期間を延長することも可能です。服用期間を延長する場合、1mgを1日2回、朝夕に12週間飲み続けます。

最初の服用で効果が認められなかった場合、過去の失敗要因を明らかにし、対処した上で、再挑戦することになります。これは、チャンピックスの服用を完了したあとに、再び喫煙を始めてしまった人も同様です。

副作用が見られた場合、用量を0.5mgに減らします。

重度の腎機能障害をもつ人は、服用量を増減する必要があります。体の状態を観察しながら服用量を決めることが重要です。